サクソフォーンを専修する者は、以下に掲げる目標に沿って勉強をすすめることとする。学習者は下記のリストから、教師のアドバイスにしたがって各々にふさわしい作品を選ぶ。リストにない作品は、教師によって適宜判断される。

このシラバスの内容は、随時更新していくつもりである。

音階は、各種アーティキュレーションを伴った２４の長調・短調を暗譜で吹けることが求められる。できれば、３度の平行音階および主和音と属七（減七）の分散和音も吹けることが望ましい。使用する教材は特に指定しない。副教材として、ミュール「Gammes et Arpeges（Leduc）」が、耐久力を向上させるために有効である。

初学者は、大室勇一「サクソフォーン教本（ドレミ）」を用いて、レガートやタンギングの基礎、楽譜の読み方の基礎を学ぶ。しかるのち、ラクール「50 Etudes Faciles & Progressives（Billaudot）」からエチュードの練習を開始し、読譜と表現について学ぶ。平行して、クローゼ「25 Exercises Journaliers（Leduc）」を用いて、「練習方法の練習」とも言うべき学習をする。その後、ブレーマン「20 Etudes Melodiques（Leduc）」から数曲を抜粋し、ごくありふれた、しかし必要不可欠なカンタービレの方法を学ぶ。これは、長い曲を集中力を持って吹き通す試練でもある。安定した読譜力と技術がある程度身に付いたところで、フェルリング「48 Etudes（Leduc）」を導入し、技術と表現の洗練を目指す。