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商家の長男として生まれる。店の手伝いをする良い子であった。小学1年の3学期から、病気で学校を1年3ヶ月間休学。病室で本ばかり読んで過ごす。あるとき病室で大暴れして、看護婦さんに噛み付き退院させられる。退院後も体育の授業はずっと見学。授業は午前中で早退。薬の副作用で満月のような顔をしていたので、軽くイジメられる。それ以来、不活発でわがままな性格となる。 小学4年生のときに鼓笛隊でトランペットを始める。中学校では、弱小ブラスで部員が少なかったので、あらゆる管楽器を試した。なぜかサックスは即マスターできたので、以来この楽器を専門にしている。このころ急に色気づき、毎日のようにラブレターを書き、その文章表現に頭を捻っていた。「自分には芸術的才能がない」というのがそのころの真剣な悩みで、交際相手にそのことをしきりに訴えたが、ついに分かってもらえなかった。 高校では勉強が大嫌いなため成績最低となり、毎年のように留年の危機が。怠惰と不潔と劣等感にまみれた人生で最も暗い時期。まだピアノもソルフェージュも習っていなかったくせに「勉強はしたくないが、何とかオレもまともな人間になりたい。それには自分の唯一の得意分野・サックスで音楽大学に進学したい」というまことに身勝手かつ短絡的な理由で、音大進学決意。
高校卒業後、東京に出てきて一人暮らしを開始する。浪人時代はバカ丸出しで、文字どおり朝から晩まで練習に明け暮れ、周囲の人から呆れられる。富山弁しか喋れずどこから見ても田舎者だったせいか、街頭アンケートによく引っかかって金を取られる。 学生時代は、クソ生意気な下級生からチョー偉そうな上級生への道を歩む。先輩たちとは摩擦を起こし、後輩には無理難題を言っていじめる。そのころ図書館で聴いたヘムケの演奏にいたく感動し、英語もできないのにアメリカ留学決意。渡米するとき生まれて初めて飛行機に乗り、不安と恐怖のため機内で泣く。ホテルも予約しておらず大学がどこにあるかも分からずシカゴ空港で呆然としていると、親切そうな人に声をかけられて、やれうれしやとついて行ったら、そいつは雲助タクシーなのであった。とんでもなく遠回りをされ法外な金を取られる。アメリカでも非常識な行動で周囲に迷惑をかけまくり、自分も痛い目に遭いまくる。この時期のドカ食い及びアルコール依存気味の生活習慣から太り始める。 ジュネーブでコンクールを受けたときは、無人のビルに入り込んで勝手に練習し泥棒に間違えられる。また静かな公園でベリオなどを練習し、付近の人に英独仏の3カ国語で「もうたくさんだ、やめろ!」言われショックを受ける。コンクール後、パリで何もせず食っちゃ寝の生活を1週間送ったことにより、完全にデブになる。 帰国後も重度の練習病のため、アパートでは「アブナイ人」と思われる。昼は練習、夜は泥酔の日々。大学の講師となってからは、自分の意見を強力に押し付けるため、学生からはかなり煙たがられている。最近丸くなったと言われるが、単に疲れているせいだけだったりする。学生時代に付いた飲酒癖から生活習慣病を招いてしまったので、中高年となった現在は摂生に努める。
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