2004/02/28(土)
『秘密のノート』
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僕には秘密のノートが数冊残っている。 小学校低学年の時は,普通に日記を書いていた。 高学年では思いついたギャグをすべてノートにまとめ、少しずつ披露していた。 中学生くらいには中原中也などにあこがれ、訳のわからない詩を書いたりしていた。 高校生くらいになるとナル度はさらに加速して難しい言葉を沢山使い、愛だの恋だの…うたっちゃたりもしてしまった。 何故か字に趣を出すために左手で書いたりもしてみた。 その頃のノートは今現在、自分で開くのも躊躇するほど恐ろしい内容でしかも意味が解らない…… がしかし、その頃から何かに感動したり、やる気の出る言葉を見つけたり、何かいい事を思いついたりしたらノートに書きとめるようになった。それは今も続けている。 いちおう今は「練習記録」という嘘っぽい題名をつけて、何でも書きこむ。とても他人には見せられないが、その頃の奏法や考えていたことを振り返ると、現在と比較して非常に為になったり、やる気を奮い立たせてくれたりする。「そうだよーそうなんだよー」と思い出したり、こんなバカな事考えていたんだという反省をしたり、考えすぎて失敗していた事などがはっきり解る。 けっこうやってる人がいるに違いない! 最近昔の楽譜を整理していたら1枚の紙切れを見つけた。 それは高校3年の夏の終わり、音大受験真っ只中、はじめてK氏に出会った頃、レッスンに行き、「浪人を覚悟しなさい」と言われ、ショックを受けた帰り道に書いた文章と思われる。(その時僕はまだラクールをやっていた!)
『夢』 そこへはどうやっていくのだろう・・ たどりつけるはずなのに・・ とどくところにそれはあるはず・・ あきらめず ひたすら 信じること。 それが一番の近道だ! 奇跡は自分が起こすもの! ぜったいに行くゾ! 何が何でも行くゾ! 僕はその方法を知っていて そうしないだけだから もうそろそろ出発して たどりつかなくちゃぁぁ。 さぁいくか みんなが待っている! よりみちはしない。 慌てずに 確実に 前進するのみ! Go!Go! (途中略)
詩でもなんでもなく、ただあたりまえのことが書いてあるだけで 「いったい誰が待っているんだ!Go!Go!って…」と言う感じなのだが、当時涙を浮かべ必死にそれを書きながら奮い立っていた自分を思い出すと、何故か現在の僕が刺激された。 振り返ってみると、受験というものは様々な面できつかった。 あまりにも無知だった僕はそれからK氏の地獄のレッスンを乗り越え、 色々な人に支えられながら、奇跡の合格をはたした。 レッスンは多い時で5〜6時間!! 非常に中身のある素晴らしいレッスンだった。 K氏のあの特訓がなければ、今の僕は無いに等しい。 「1人の人間には、その運命と人生を決するような時が、生涯1度は必ずあるもので、 それを乗り切った瞬間、彼の未来は全面的に変わる。」という僕の好きな作家、遠藤周作の言葉があるが、 僕にとってまさにその時だった。間違い無い。 音楽の世界にはそういう時が1度ではなく何度もあると思う。 僕自身、様々な人達のおかげでやっとここまで突っ走ってきたが、 まだまだスタートラインに並んだとしか思えない。 これからどんな試練が待っていようとも、常に新たな夢を持ち続け、 感謝の気持ちを忘れず、何事にも真剣に頑張って行きたい。 それが今年の目標だ。(もうすぐ3月だけど・・) とりあえず3月のリサイタル頑張ります! それとG君合格おめでとう!! 1つ乗り越えたね!
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