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雲井雅人の「小言ばっかり」

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2004/04/27(火)  過去のプログラム
思い立って、自分が過去におこなったソロ・リサイタルのプログラムを列記してみた。最初の2回はアメリカ留学中のもので、日本での初リサイタルは84年。
ん、ということは今年が20周年ということか。このあいだ21年目と書いたが、「周年」と「年目」は違うのであったか。うーむ…。

1982.6(25歳) ノースウエスタン大学レギンスタイン・ホール
  ピアノ:ナンシー・ヘイガン
バーナード・ハイデン     ソナタ
バートン・ビアマン      コンチェルト1
グスタフ・マーラー/ヘムケ  春の朝
               セレナーデ
ポール・ボノー        ワルツ形式のカプリス
ロジェ・ブートゥリ      嬉遊曲
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1983.6(26歳) ノースウエスタン大学レギンスタイン・ホール
  ピアノ:アルバート・ポッツ3世
  メゾ・ソプラノ:キャスリーン・ランダルズ
アルフレッド・デザンクロ  プレリュード、カデンツとフィナーレ
ホアキン・ニン       ヴィエールの歌
ルチアーノ・ベリオ     セクエンツァ9-b
インゴルフ・ダール     コンチェルト
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1984.11(27歳) 東京文化会館小ホール
  ピアノ:猪俣淳子
ヴァンサン・ダンディ     コラール・ヴァリエ
イダ・ゴトコフスキー     ブリランス
ルチアーノ・ベリオ      セクエンツァ9-b(日本初演)
グスタフ・マーラー/ヘムケ  私はこの世に忘れられ
               ぼくの歌をのぞきこまないで
パウル・ヒンデミット     ソナタ
フランク・マルタン      バラード(多分日本初演)
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1986.9(29歳) 東京文化会館小ホール
  ピアノ:猪俣淳子
クロード・パスカル      ソナチネ
フローラン・シュミット    伝説
エイトール・ヴィラ=ロボス  ファンタジア
カレル・フーサ        エレジーとロンド
バートン・ビアマン      コンチェルト1(日本初演)
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1990.1(32歳) 津田ホール
  ピアノ:服部真理子
  バリトン・サックス:服部吉之
ジャン=ポール・オルステン  不遜な組曲(多分日本初演)
フランシス・プーランク    トリオ
アラン・ベルノー       2つのサクソフォーンのためのソナタ
J.S. バッハ/雲井        ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ ト短調
インゴルフ・ダール      コンチェルト
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1994.4(37歳) サントリーホール小ホール
  ピアノ:伊藤康英
  室内楽:ムジクケラー室内合奏団
フランツ・シューベルト/雲井     アルペジョーネ・ソナタ
マリ=ジョゼフ・カントルーブ/伊藤  オーヴェルニュの歌
ワーレン・ベンソン          ドリーム・ネット(日本初演)
ダリウス・ミヨー/雲井        演奏会用組曲「世界の創造」
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1995.12(38歳) 国分寺いずみホール
  ピアノ、チェンバロおよび指揮:伊藤康英
  ヴィオラ:細川亜維子
  アルト・サックス:林田和之
  室内楽:ムジクケラー室内合奏団
クルト・ワイル/伊藤    「三文オペラ」から
パウル・ヒンデミット    演奏会用小品
パウル・ヒンデミット    三重奏曲
シャルル・ケックラン    「練習曲集」より
シャルル・ケックラン    ソナチネ第1番(多分日本初演)
シャルル・ケックラン    ソナチネ第2番(多分日本初演)
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1999.12(42歳) 川口リリア音楽ホール
  ピアノ:藤井亜紀
J.S. バッハ/コダーイ      3つのコラール前奏曲
J.S. バッハ/雲井        ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ ト短調
寺原伸夫/市川         ポエム
シャルル・ケックラン      「練習曲集」より
フローラン・シュミット     伝説
クロード・ドビュッシー/雲井  小組曲
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2002.2(44歳) 三鷹市芸術文化センター風のホール
  ピアノ:藤井亜紀
  ナレーター兼テノール:布施雅也
  演出:松本重孝
フランツ・シューベルト/雲井       しぼめる花の主題による序奏と変奏
フランツ・シューベルト/伊藤康英/林望  物語「冬の旅」(初演)
デヴィッド・マズランカ          ソナタ


2004/04/14(水)  naive
久しぶりにカルテットの合わせをした。久しぶりといっても、名古屋のフェスティバルが終わってからだから、3週間ぐらいかな。それなのに、ずいぶん長いことメンバーのみんなに会っていないような気がしたな。

やっぱりアンサンブルは楽しいね。なんでこんなに楽しいのかな。
ぜ〜んぜんさらえてなくて、ヘロヘロ状態で吹いているのが、また楽しい。
わたくし的には、このときがいちばん楽しいです、はっきり言って!

いきなり話が飛んで、人間が胚から発達するときのことを考える。
魚類や爬虫類や鳥類の段階を、子宮の中で経て、徐々に人間の形らしくなってくるんだそうな。エラのようなものや、尻尾のようなものが生えている時期もあるというではないですか。
また、生まれたばかりの赤ん坊というのは、挫折を知ることなく全能感に満ちているという説もあるやに聞く(ホントかどうか知らないが)。

ま、アンサンブルのこの時期の楽しさは、そんなとこなんだろうね(二度とない貴重な時期ではあるけど)。
これから自我が芽生えたり、社会とのコミュニケーションの方法のことなどで悩みまくる年月が待っているのだよ、と自分に言い聞かせる。演奏家という職業を選び取って以来、この繰り返しです。

この繰り返しから、いつまでも自分は卒業できないでいる。いつまでたっても、あこがれと現実のギャップの前に、戸惑い、取引、妥協という過程を経て、現実の本番での演奏という結末に至る。例外はない。

ナイーブ(naive)という語には、良い意味と悪い意味があって、良いほうは「純真なさま。また,物事に感じやすいさま」、悪いほうは「考え方の幼稚な」となる。
自分はここから脱することができないのだ。
脱したいと思ってもどうすることもできない。これが自分の「分」なのかなと開き直ってみたりもしつつ幾星霜。


2004/04/08(木)  21年目
新しい年度が、ソロリソロリと始まりつつある。
教員になって21年目の春だ。初リサイタルから21年目でもある。あれよあれよという間に過ぎてしまった。
(ということは昨年度は20年目だったということか。去年やった演奏会は、つまり僕にとって20周年記念だったわけか…。何も銘打たないでやってしまったなー)。

大学が始まってしまうと、怒濤のように日々が過ぎていく。
今は、その前の淀みのような時間だ。1週間がなかなか過ぎない。

引退した音楽家というのは、このような日々かなと思ったりする。
次の20年も、オタオタしながらあれよあれよという間か。

どんなジジイになっていることやら。


2004/04/03(土)  アホウな飲み方
先日、まことにアホウな酒の飲み方をしてしまいました。
反省のために書き残すなり。

うすら寒い中で花見をしたのですが、アルコールの回り方がちょっとヤバかった。体は寒いのだが、首から上だけが熱い。
ン?コレハモシカシテ、脳ノ血管カラぴゅート噴水ガアガルスンゼンノ状況ナノデハナイカ。

小生も今月で47歳となる。人生も暮れ方にさしかかっていることは確実である。
しかし、「夕暮れどきのぼーっと美しい桜の花の下で死ねれば酒飲みの本望さ」などという気は寸毫もなく、これからは「憎まれっ子世にはばかる」ぐらいの気合いで行くつもりである。
この駄文をもし中高年の方がお読みになっていたら、どうかみなさん寒いところでの飲酒には気をつけましょう。

猛反省して、これから酒はぬくぬくと飲むことにするぞ。
「酒をやめるぞ」とは言わないところが、我ながら愚かしい。
所詮こんなアホウが飲むんだから、どんな飲み方でもアホウな飲み方か…。


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