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雲井雅人の「小言ばっかり」

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2005/10/31(月)  かなり嬉しい
「ザ・サックス特別号」を手にしている。
かなり嬉しいっす。
インタビューでは、ふだん言わない本音を思わずポロッと出してしまっているかも。

付録のCDで、自分の好きな映画音楽を吹かせてもらっているのも嬉しい。
いつもとちょっと違う雰囲気のクモイを聴いていただけるかもしれない。

今年5月の「なにわ《オーケストラル》ウィンズ2005」出演以来、すこしずつ吹き方をシフトさせてきた成果が、このCDを聴いて確認できた気がする。
そのとき一緒に吹いたクラリネットやサックスの人たちの、音や奏法に関する言葉に影響を受けて、変えたところがあるのだ。

以前に比べて、「軽さ」が出せるようになったかなと思う。
自分の好きな音に少し近付いたような気がする。


2005/10/24(月)  ザ・サックス特別号
「ザ・サックス特別号」、26日に店頭に並ぶ予定です。
付録として、僕と栃尾君が映画音楽を演奏しているCDが付きます。
二人の対談なんかも載ります。

1曲目に入れた、映画「ディア・ハンター」のテーマ曲である「カヴァティーナ」、本当に美しい曲です。
聴いてみてください。


2005/10/22(土)  ふと
ふと気がつくと、秋真っただ中。

これって、ふと気がつくと「あ、オレ、あと2年で50歳だべ」という感じに似てるな。


2005/10/12(水)  虚仮の一念
静岡県のつま恋で行なわれた「雲カルサックスキャンプ」しうりよう。
楽しゅうございましたが、疲れまひた。

その昔、自分が群馬県の榛名山で行われたミュージック・キャンプに参加したときのことを思い出すなー。
あのころ、僕は無恥でクソ生意気な高校生でした。
音楽のことを何も知らず、エチュードも何も吹けないのに、やたら意気揚々としていた。
たぶん、僕がそのころの自分に会ったら、かなりの確率でムカつくのではなかろうか。

話は変わるが、最近の大学生や高校生のファッションてえものは、「ダラッとしていることを旨とす」みたいなとこがあって、僕としてはどうも承服しかねるのだ。
何と呼ぶのかは知らぬが、「ずり下げパンツ」、「ビミョーにはみ出したシャツ」、「かなり野良犬っぽい髪形」、「やたらなピアス」などは、クラシック音楽の徒としてはイカガナモノカ。
世間に対して「反抗的」なことが新しいファッションの妙諦であることは理解しつつも、なんか、チンピラっぽく感じるです(もしかしてチンピラって死語ですか?)。

かく言う私は、中途半端なヒゲ面です。
髪も七三とかではない。
大学へは平気でジーパンをはいて行く(ただし、きっちりベルトを締めて)。
年嵩の先生方からは、「チンピラっぽい」と思われているかもしれない。
でも「まあ、いいんじゃない」と僕は思っている。

そうなんだよね。
あんまり人を外見で判断しちゃいけないんだよね。
んー、でもあんまり崩しすぎというのもねー。
そのへんのバランス感覚というのが、クラシック音楽の徒には必要なのかも。
いや、でも、やっぱりそういうカタイことは言わない方がいいのかな。
どう考えても、高校のころの自分にそんなバランス感覚があったとも思われないしな(いまの自分にも多分ない)。
あったのは、「虚仮の一念岩をも通す」ような思い込みパワーだけであった。
年経てクソ生意気さが中和され、知力体力は衰えても、僕の中の「虚仮の一念」の部分だけはさほど目減りしてないかもしれぬ。

キャンプに来た若い受講生たちを見ていて、そんなことを考えた。


2005/10/03(月)  「雲井塾」終了
三鷹のラ・フォルテで行なわれた「雲井塾」が終了した。
二日間で、参加者は延べ100人あまり。
レッスン受講生は16名だった。

開講式に引き続き、八木澤講師によるイベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」の楽曲分析と、彼の生涯についてのレクチャーがあった。
イベールの生涯については意外に知られていない。
八木澤氏の用意してくれた資料はとても貴重なものだ。
イベールが純クラシック以外の仕事をたくさんしていたということを知ると、作品へのアプローチも少なからず違ってくる。
ミュールの演奏が自然で素晴らしいのは、イベールと友人同士だったからということが大きな要素なのだ。
われわれはイベールのことをあまりにも知らなさすぎた。

また楽曲分析では、一見複雑なイベールの和声が、「付加音」というとらえ方でわかりやすく解き明かされて行くさまが楽しかった。
この企画は、僕自身が聞きたくて、立てたようなものだ。
やって良かったと思う。
林田講師との軽妙なやりとりもあって、2時間があっという間にたった。

1日目は、林田講師によるイベール、2日目は、塾長雲井によるシューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」と原講師によるラーション「コンチェルト」のレッスンが行われた(すべて伴奏付き。ピアニスト:猪俣淳子)。
各講師は、それぞれ己の信ずるところを惜しげもなく、遠慮なく、明るく楽しい雰囲気の中で開陳した。
担当曲以外の講師も全員のレッスンを聴き、時には講師同士の遠慮ないツッコミもあったりして盛り上がった。
各講師は、たっぷりと模範演奏を示した。
原講師と塾長の、ラーションのカデンツ聴き比べなどもあった。

講義も含め合計約12時間のレッスン時間中、聴講した人々の集中力が持続していたのは驚異的なことだと思う。
音楽大学の授業なんかじゃあり得ない光景だった(それもおかしな話だが…)。
また、さまざまな大学からの参加者があり、門下の違いを超えた交流がなされたことは貴重なことだと思った。

終了後は1階のレストランで、うまい料理にワインで和気あいあいのレセプションが行われた。


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